木漏れ日の中で

あなたが笑顔でありますように…

明くる年も…

 

 AM 8:00 カウンター前に現れた80代の女性が、到着するや否やこの世の終わりと言わんばかりに突然泣き出し、ポロポロと目から大粒の涙を流しながら何かを訴えようとしている。感情が高ぶっている様子なので、一瞬どなたかの面会で、その方の状態が思わしくないのか、それともご自分の具合が相当悪いのかなどと推測しながら、「泣かないでください。大丈夫ですすよ。どうされました?」と声をかける。

 よくお話を伺えば、診察カードを家に忘れてきたのだと言う。カードがなくても受付できる旨説明し、お名前と生年月日をお聞きし、今日の予約の有無と、受診科を確認するため、急いでパソコンで検索する。

 もしかしたら…と思ったけれど、やはり心療内科で予約が入っていた患者さんだった。安心していただけるよう、なだめながら受付できる窓口を案内し、女性は大分落ち着かれた様子で少しだけ笑顔もみられ、カウンターを後にした。

 

 毎日色々な出来事がある。「ご親切にありがとう。」と言われれば素直に嬉しいし、大変なこともあるけれど、とてもやりがいを感じている。

 

 残りわずかな時間だとお互い承知の上で、婚姻届を提出される方。最期のときも連絡はもらいたくないと、身内から見放された方。訳もわからず一方的に怒鳴り散らしてくる方もいれば、耳や目、手足が不自由でも、笑顔で前向きにしっかりと生きていらっしゃる方もいる。そして、生きたくても生きられなかった方…その方々の分も、前を向いて歩いて行かなければと、事実と直面する度に改めて思う。

 

 出会った全てのひとが、明日も笑顔でありますように…。2019年は、そんなことをいつも以上に強く願った年だった。(SNSも含めて)

 

 今年の後半は、表だけでなく裏方的なお仕事もさせていただいた。やってみなければわからないことってたくさんある。そこから見えてくることも。日々勉強。人生は学ぶことばかり。一生懸命頑張っていれば、いつか必ず誰かに伝わるものだし、これからもそのスタンスでわたしなりにやっていこうと思う。

 

 イチョウ並木を歩きたいと思っていたけれど、気がついたらイチョウの葉は落ち、今年は黄金色に輝くイチョウの木を愛でる間もなく…気が付けば年が明けようとしている。

 本当に、月日が過ぎるのは早いなぁ。

 


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 明くる年も、あなたが笑顔でありますように。感謝の気持ちを込めて…。

 

*kaorin*