木漏れ日の中で

あなたが笑顔でありますように…

感謝の苺

 

 

“病院のお仕事は大変なお仕事です。

お身体に気を付けてお過ごしください。

この度は本当にありがとうございました。”

達筆な字で書かれたお手紙と共に、高級な苺が箱詰めされ、受付宛に送られてきた。1箱2パック入りで3箱も。送り主は高齢の女性の方で、落とし物(お財布)を届けてもらったことが嬉しくて、つい先日も受診で来院された際に、感謝の気持ちを丁寧に綴られたお手紙を手渡して下さった。「少しだけどお茶でも皆さんで召し上がって」とお金も入っていたので、お手紙だけ有り難く頂戴し「本当にお気持ちだけで結構ですので…」とその時は外来へ向かっていただいた。余程嬉しかったのだろう、診察が終了し帰り際にまたお立ち寄りになり、「今度果物でもお送りしますわ」と仰るので、「お心に留めていただきありがとうございます。お気遣いなく…」とお見送りしたばかりだった。お財布が手元に戻った際、親切にしていただいたのにその時は体調が優れず、お礼の言葉を満足に伝えることなく帰ってしまった事がとても気掛かりで、悩んでいたのだそう。「どうかお気になさらず」と申し上げ、こちらは業務の一環として行っていることもあり、大変恐縮してしまった。

 

毎日たくさんの方にお会いする。感染対策は怠らないつもりでいるけれど、いつどこで感染してしまうか分からない。悲しいニュースに胸が苦しくなる。明日は我が身。常に危険と隣り合わせでいることを忘れてはならない。それでも変わらず笑顔で(マスクをしているけれど)対応させていただいている。こんな時だからこそ、人と人との繋がりの大切さや、あたたかな言葉にホッとする。いつもそう感じるから、やはり自分もそういう人でありたいと思う。

 

一日も早く、安心して過ごせる世の中になりますように…。

 

大粒の苺。甘酸っぱい春の味。心のこもったお手紙に、胸がいっぱいになった。


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感謝。